エッセイ・NO.18 「令和3年 年賀状」
(2021.1.1)

  
  仲良しメジロ    工房の真上の飛行機雲     久しぶりの干柿 大成功  冬至の頃の山浦の風景

   謹 賀 新 年     2021(令和3)年 元旦

 学生の時に、真如会を主宰されていた紀野一義先生の講話会に参加して仏教を
教わりました。先生が親しくされていた詩人の坂村真民さんのことも話の中にしばし
ば登場して…、あれから50年…、私にとって真民さんの詩はいつも身近にあります。
 
 「鈍刀を磨く」を紹介します。
 
 「鈍刀をいくら磨いても 無駄なことだというが 何もそんな言葉に 耳を借す 
 必要はない せっせと磨くのだ 刀は光らないかも知れないが 磨く本人が変
 わってくる つまり刀がすまぬすまぬと言いながら 磨く本人を 光るものにし
 てくれるのだ そこが甚深微妙の世界だ だからせっせと磨くのだ」

 自分が鈍刀であることを自覚して「まだまだいかん」と一生涯自分を磨き続
けた真摯な人間の姿がここにあります。真民さん75歳の作で、5歳年上の先輩
や紀野先生から「僧侶も筆職人も、ついでにいえば人間としても、まだまだなっと
らん。せっせと磨け!」と叱咤激励されているようです。

 お店も喫茶店も何もない山の中です。帰郷してから30数年、ずっと「巣ごもり」
生活です。でも退屈はしていません。趣味を含め、やることは沢山あります。犬が
一匹、猫はいっぱいいます。よろしかったらお尋ね下さい。
 
 女房と後継ぎ息子と私の3名でお茶の相手ができればと思っています。
 

 
皆様にとりまして、幸多き年でありますように。   御堂順暁

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